辰巳和隆(51期mu)

感性を豊かに

小学校・幼稚園での演奏活動および楽曲編曲も手掛けています 。大半が無茶な編成や依頼です。学校に木琴・ドラムもあるのでピアノに混ぜて下さい、ということもあります。音量バランス等も想像外なことが多いので最後まで気が抜けません。舞台上で演奏する事はほとんどなくなり、どちらかというと楽編曲提供などで、裏の方でチョコチョコ操作することが多くなりました。自然と歌っていてくれたり、ノってくれて手拍子足拍子してくれたりする姿を見ると、しめたもんですよね。嬉しいですよね。それはそれで頑張ってます…と言いたいところですが、ボランティアに近いことも多いのでメインの仕事ではありません。

現在はミュージックコーディネーターとして主に音楽教室での子供達のサポートで毎日飛び回り、明け暮れてます。普段は生徒である子供達とそのご両親(主に母親)と接する場面が多く、ほとんどがレッスンの悩み相談。時には人間関係も含んでいるので客観的に判断が必要なこともあります。僕自身も現在3歳♂と0歳♀の子供がいるので、音楽を通じた子育て、教育といったことに関してはものすごく興味深い時期でもあります。

音楽を学ぶということは楽器を弾けるようになること、と多くの人が認識しているかもしれません。もちろん技術を学ぶためのレッスンでもありますが、音楽面で活躍をさせようとする方を除けば、音楽を通じて楽しむ心だったり自己表現できる力だったり感受性豊かになって欲しいというところを最終的には求めているんです。技術の習得ということで気付きにくいことでもあります。しかし本当の音楽力は、さまざまな面から音楽にふれることだったり、そのことによって生まれる感性が芽生えることで、はじめて育まれます。

幼い頃から楽器をとにかく弾かせるといった考え方だけでは音楽を楽しみ、表現する力はなかなか育ちません。子供達は与えられた物で頑張るので周りの大人達が環境を整えてあげれるといいですよね。僕もまだ諸先輩方に比べるとまだまだ偉そうに言える年齢ではないですが、それでもやっぱり時代の変化とともに、物という物が合理的さを追求した日常生活になってきていて、身体能力も感情も乏しくなりやすい環境にあると思います。常日頃から創造力豊かな発想がしやすい環境は大事です。

今、僕は講師という立場ではないので、生徒である子供達へ直接ではなく、ご両親を通じて間接的にお話したり提案したりしています。その数は1000人近くにもなります。さまざまな親子の性格があるので柔軟さ、ある程度の八方美人さが求められるので簡単ではありません 。ぜひとも子供が続けれるかどうかわからないと言わず、音楽以外にもいろんな経験をして、長く続けれるように、頑張れるようにできる環境を与えてあげて欲しいです。

音楽を通じて物事の関係性や意味性を生み出し、創造性を展開できる力をつけ、感性が豊かであればそれだけで人生が倍以上に楽しくなると思います。また、そういった才能発揮は、ちょっとした親への恩返しにもなると思います。

51期 音楽学専攻 辰巳和隆

tatsumikazanday@yahoo.co.jp

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