真声会大阪支部 支部報発行(No.101)

音楽活動を支える人や組織の大切さ

真声会大阪支部、支部長
大村 益雄(1期、作曲)

 

音楽は、楽しく印象深いものでなくてはなりません。最近、二つの演奏会を聴いて心打たれるものがありました。
その一つ、「佐渡裕とスーパーキッズ・オーケストラ」は、2003年に結成され、設立10周年を迎えての記念特別コンサートが、大阪、名古屋、東京、京都、松本、で行われ、私は、3月23日(日)、満席の聴衆のもと、大阪フェスティバルホールで行われた最初の演奏会を聴かせて頂きました。オーディションに合格した小学、中学、高校の生徒達で構成され、今回は10周年と言うことで、過去にメンバーであったOBも加わって、総勢60名の演奏でした。ホルストの「セントポール組曲」や、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」など、曲目もバラエティに富み、厳しい練習を窺わせる息のあったすばらしい演奏でした。活き活きとした音楽表現の素晴らしさだけではなく、演奏者全ての顔が明るく、表情がよいのに驚きました。聴いていて深い感動を覚えた演奏会でした。
もう一つは、大阪いずみホールにて、4月27日(日)に多くの聴衆を迎えて行われた「アンサンブル・モーツアルティアーナ」の第73回定期演奏会でした。大学のオーケストラで演奏していた社会人を中心に約50人のメンバーで構成されていて、毎年、春と秋の年2回の演奏会が行われ、今回は、ベートーベン・プログラムで、大変珍しい曲を聴くことができました。「舞曲:プロメテウスの創造物」、「バイオリン、チェロ、ピアノのための三重協奏曲」を、指揮者なしの演奏で、各ソロ、オーケストラ・メンバーを含む、それぞれの奏者が、思いっきり自分の音楽表現を行いながら、それでいて、音楽全体がまとまりを持っていて、聴衆に音楽の深みと楽しさを伝えることができた、ユニークな演奏でした。年2回の定期演奏会で、今回は第73回目ですから、この持続力、継続力は、これまた驚きです。
上記、二つの演奏会は、知名度、社会性など、全く異なりますが、共に、プロの演奏団体ではありません。しかし、多くの聴衆を集めて、感動を呼ぶ演奏をすることができるのは、演奏者が音楽を強く感じ、楽しんでいるからだと思います。音楽の原点はここにあるのだと、強く感じました。それにしても、この二つの演奏会を成り立たせているのは、それを支える人が必要です。前者は、佐渡裕さん(29期)、池田明子さん(48期)、後者は、飯田真基さん(17期)、田中裕美子さん(51期)たちで
す。ともに、私たちの同窓生です。近年、私たちの同窓生の多くが、このように音楽活動の価値ある役割を担って活躍するようになってきたことは、大いに喜ぶべきことだと思っています。

支部報No101

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